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ロボットが「旅行のお供」に 中国で新しい観光体験

浙江省杭州市の観光地でパフォーマンスをするロボット(2025年5月1日撮影、資料写真)。(c)CNS:王剛

浙江省杭州市の観光地でパフォーマンスをするロボット(2025年5月1日撮影、資料写真)。(c)CNS:王剛

【東方新報】今年の労働節(メーデー)の連休、湖南省(Hunan)双牌県の陽明山に杜鵑花(トケンカ、ツツジ科の花)を見に来た観光客は、新しい旅行スタイルを体験した。観光地の入口では、花冠をかぶった人型ロボットと握手をしたり、ハグをしたりすることができ、ロボット犬による「サイボーグ舞獅」のインタラクティブショーにも参加できた。

「杜鵑の花が咲く海の中に隠れたロボットやロボット犬が、観光客と一日中交流します。今回は人型ロボットを初めて花海の案内役として導入したんですが、大変好評です」と、陽明山観光地の責任者である肖二波(Xiao Erbo)氏は話している。

 最近、中国の多くの観光地でロボットが「就職」している。登山の手伝いをしたり、写真撮影のサポートをしたり、さらには民族舞踊を披露したりするロボットも登場している。これらのロボットは観光地の目を引く存在となり、静かに中国の観光体験を変えつつある。

 湖南省張家界市(Zhangjiajie)の宝峰湖観光地では、「笨笨(Ben Ben)」という名前の人型ロボットが民族衣装を身に着け、舞台で軽やかに舞いながら観光客に手を振って挨拶をしている。宝峰湖の山歌手が歌を歌い始めると、ロボットはその歌に合わせて踊り始めた。

 張家界観光集団の責任者である張堅持(Zhang Jinachi)氏は「『笨笨』はチケット係とも連携し、観光客に正確な乗車案内をしたり、観光地のマスコットと一緒にパフォーマンスをしたりします。ロボットの導入によって、観光客は新しい楽しさを感じ、テクノロジーによる新しい体験を楽しんでいます」と述べた。

 湖南省長沙市(Changsha)にあるテーマパーク「世界之窓」では、AI技術を駆使したファッションショーが行われている。人型ロボットが登場し、その後ろにはかわいらしいロボット犬が2匹続き、その周りにはメカニックガールズとサイボーグメカ部隊が控えている。

「労働節連休の間、観光地ではテクノロジーをテーマにした国際的なストリートアートフェスティバルを開催し、毎日ロボットによるダンスショーが行われています」と、スタッフの鄧婷(Deng Ting)さんは話す。

 湖南のロボット会社の営業部長である郭強(Guo Qiang)氏は「人型ロボットが観光客と一緒にインタラクションをしたり、ゲームをしたりして、旅行体験がさらに楽しくなります。私たちはすでに観光地から100台以上の人型ロボットの注文を受けています」と語った。浙江省(Zhejiang)温州市(Wenzhou)、河北省(Hebei)保定市(Baoding)、寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)の銀川市(Yinchuan)などの観光地では、太極拳の舞い剣や茶道のパフォーマンス、登山の付き添いなどを行うロボットが導入されている。

 郭強氏は「ロボットは中国の観光地に急速に導入され、文化観光サービスのアップグレードを促進する重要な要素となっています。ロボットやロボット犬は上海のいくつかの古鎮では宅配サービスにも登場し、雲南省(Yunnan)や江蘇省(Jiangsu)の観光地ではロボットがライブコマースを行ったり、カフェで『店員』として働いたりしています」と話した。【翻訳編集】東方新報/AFPBB News|使用条件