北京市の小米科技本社ビル(2021年3月31日撮影、資料写真)。(c)CNS:易海菲
【東方新報】小米科技(シャオミ、Xiaomi)は26日夜、公式微博(ウェイボー、Weibo)アカウントで、「小米がArmにチップをカスタム依頼した」とするネット上の噂について否定した。「玄戒O1」は小米の玄戒チームが4年以上かけて独自に開発・設計した3ナノメートルプロセスのフラッグシップSoC(システム・オン・チップ)であると説明した。
同社の説明によれば、「玄戒O1」はソフトバンクグループ(SoftBank Group)傘下の英半導体設計大手アーム(Arm)の最新CPUおよびGPUの標準IPライセンスを使用しているが、マルチコアおよびメモリアクセスに関するシステムレベルの設計や、物理的な後工程の実装はすべて玄戒チームが独自に行ったという。つまり、「Armの完全なソリューションをそのまま採用した」わけではなく、いわゆる「Armにカスタム依頼した」という話は事実に反すると否定している。
さらに小米は、「玄戒O1」のCPUに搭載された「超大コア」の最大クロック周波数が3.9ギガヘルツに達しており、これは業界標準を大きく上回ると述べている。これは数多くの技術革新と数百回にも及ぶレイアウト設計の最適化によって実現された成果だという。
具体例として、小米は「玄戒O1」のCPU部分において480種類以上の標準セルライブラリを再設計したことを挙げている。これは3ナノメートルプロセス向けの標準セルライブラリの約3分の1に相当する規模だという。また、エッジ給電技術や独自開発の高速レジスタなどの革新的な技術も導入されており、これらが積み重なった結果、3.9ギガヘルツという非常に高い設計目標を達成できたとしている。
小米は、「今回が初のフラッグシップSoC発表であり、まだ不十分な点もあるが、私たちはこのチップ開発の道を5年でも10年でも20年でも、全力で歩み続ける」とコメントした。
一方で、Armが公式サイトに発表した内容では、「小米のカスタムチップ『玄戒O1』はArmのコンピューティングプラットフォームによる支援を受けている」とされており、この表現がSNS上で一部のユーザーから疑念を招いていた。「これは小米が自社でIPを購入して設計したのではなく、ArmがCSSプラットフォーム上で小米向けに設計したものではないか」との指摘も見られ、小米の「自社開発」という主張に疑問が呈されていた。小米はこうした見方に対し、あくまでArmの標準IPライセンスの使用にとどまり、設計・実装はすべて自社で行ったことを繰り返し強調している。初のフラッグシップSoC「玄戒O1」に込めた自社開発へのこだわりは強く、同社は今後もチップ開発に力を入れ続ける姿勢を明らかにしている。【翻訳編集】東方新報/AFPBB News|使用条件