「Project Moohan」のビジュアル(c)news1
【KOREA WAVE】韓国のサムスン電子が2025年10~11月にかけて、これまでにない新しいデバイスを相次いで投入する。「Project Moohan」と名付けられた拡張現実(XR)機器が10月に、二度折れる「トライフォルド型」スマートフォンが11月にそれぞれ発売される予定で、次世代フォームファクターへの挑戦に本格的に乗り出す。
業界関係者によると、サムスンは10月22日にオンラインで新製品発表会を開き、「Project Moohan」を公開する計画だ。これに先立ち、サムスン電子デバイスエクスペリエンス(DX)部門長(社長)のノ・テムン氏は2025年7月、同社の開発状況について「完成度と使いやすさが確保され次第、トライフォルドフォンとProject Moohanを年末に発売する」と述べていた。
「Project Moohan」は当初9月末に登場すると見られていたが、製品完成度を高める過程で発売が10月にずれ込んだ。初期生産台数は約10万台と見られており、発表直後から販売が始まる見通しだ。
この製品は、グーグルおよびクアルコムと共同開発されたヘッドマウントディスプレイ(HMD)型のXR機器で、2024年に米アップルが投入した「Vision Pro」に対抗するアンドロイド陣営の旗艦モデルとなる。価格はVision Proの約半額となる200万ウォン台に設定される見通しで、より優れたディスプレイやモバイルプロセッサ(AP)、そして強力なAI機能が搭載されるという。Apple製品が直面した装着感やコンテンツの問題にも対処しているとされ、改良されたUX(ユーザー体験)に期待が集まる。ただ、メタの「クエスト3」(約70万ウォン)など他社の既存VR機器に比べて高額であることは普及の障害になる可能性も指摘されている。
「トライフォルドフォン」の初めての実機は、10月に慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて展示される見通し。このトライフォルドフォンは、従来の折りたたみスマートフォンをさらに進化させたモデルで、両側のディスプレイを内側に折る「デュアル・インフォールディング(G字型)」方式を採用している。
ディスプレイを全て広げると、最大で10インチ級のタブレットサイズになる。外側ディスプレイも約6.5インチと、通常使用にも対応できる仕様となる見込みだ。
トライフォルド型スマホの先例としては、中国の華為技術(ファーウェイ)が2024年9月に「Mate XT」を発売したが、発売から1週間で折りたたみ部分に破損が発生し、耐久性に問題があると指摘された。サムスンは今回の製品について、初期出荷量を10万台未満に限定することで、技術力を強調する戦略を採用している。価格は400万ウォンを超えるとされ、主にプレミアム市場に照準を合わせている。(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News|使用条件