指の上に米粒と並べて置かれたペースメーカー(2025年4月2日取得)。(c)AFP PHOTO : NORTHWESTERN UNIVERSITY
【AFP=時事】米粒より小さい世界最小のペースメーカーを開発したとの論文が2日、科学誌ネイチャーで発表された。一時的に心拍数を調整するための装置で、注射器で体内に入れて光で制御し、その後、体内で溶解する。
米国主導の研究チームは、開発の動機として、先天性心疾患の子どもの1%は術後1週間以内に一時的ペースメーカー(テンポラリーペースメーカー)が必要になることを挙げている。テンポラリーペースメーカーは、大人が心臓手術を受けた際に心拍が正常に戻るまでの間、使用されることもある。
今利用されているテンポラリーペースメーカーの場合、リードの一端を心臓に留置し、もう一端を体外の電源装置に接続するための手術が必要となる。ペースメーカーが不要になった場合、リードは引き抜かれるが、その際に時折、損傷を引き起こすことがある。
人類として初めて月面を歩いた米国の元宇宙飛行士、ニール・アームストロング氏は2012年にテンポラリーペースメーカーが取り外された後、内出血が原因で亡くなった。
新たに開発されたペースメーカーはワイヤレスで、厚みはわずか1ミリ、長さは3.5ミリ。注射器の先端に収まるほどのサイズだ。不要になった際は体内で溶解するように設計されており、侵襲的な手術も避けられる。
患者の胸には柔らかいパッチが装着され、パッチが不整脈を検出すると、自動的に光が点滅し、ペースメーカーに適切な心拍刺激を伝えるようになっている。
米ノースウェスタン大学の上席著者ジョン・ロジャース氏はAFPに対し、このペースメーカーについて、2~3年以内に人での臨床試験に持ち込めるかもしれないとの見通しを示した。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件