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”植物性”の親子丼が食卓にのる日がやってくる〜ネクストミーツが代替卵を商品化

「NEXTチキン」と「NEXT EGG」で作った親子丼(同社のリリースより)

「NEXTチキン」と「NEXT EGG」で作った親子丼(同社のリリースより)

 代替肉製品を展開するネクストミーツ株式会社(本社・東京都新宿区)は、プラントベースの代替卵「NEXT EGG 1.0」の商品化に成功し、今年夏から秋ごろにかけてまずは事業者、さらには個人向けに順次販売する予定であることを1日に発表した。

動物性不使用の代替卵「NEXT EGG1.0」(同社のリリースより)
動物性不使用の代替卵「NEXT EGG1.0」(同社のリリースより)

 動物性の原料を一切使わないこの卵は「ひよこ豆」を主原料としている。普通の鶏卵と同様に卵焼きやホットケーキの材料などとして使うことができ、同社の鶏肉タイプの代替肉「NEXTチキン」と一緒に使用すれば、鶏肉も卵も使わずに親子丼(トップの写真)を作ることも可能だ。動物性の原料が一切使われていないため、ビーガン(完全菜食主義者)の人や、卵や乳製品にアレルギーのある人でも食べることができる。

 植物性の原料を使った代替卵の開発・商品化は、代替肉などと同様フードテックの分野で近年注目を集める試みとなっている。海外では、米国発のスタートアップEat Just社が、やはり豆類の「緑豆」を原料とした代替卵「Just Egg」を開発・流通させている。こうした背景には健康上の理由の他にも、環境負荷を減らすという狙いがある。食肉や鶏卵の生産には飼料となる大量の穀類や水、エネルギーが必要だがプラントベースであればそうした資源が大幅に削減できる。

代表取締役の佐々木英之氏(左)と取締役会長の白井良氏
代表取締役の佐々木英之氏(左)と取締役会長の白井良氏(同社提供)

 ネクストミーツは、これまで焼肉用代替肉「NEXT焼肉」シリーズや、鶏肉タイプの代替肉「NEXTチキン」などの代替肉商品を展開してきた。同社は2017年から共同創業者である代表取締役の佐々木英之氏と取締役会長の白井良氏とが調査・研究を開始し、2020年6月に法人化。そこから1年足らずの2021年1月には、SPAC(Special Purpose Acquisition Company=特別買収目的会社)の仕組みを使ってアメリカのOTCBB(OTC Bulletin Board)に上場を果たしている。

 同社はすでに日本以外でもアメリカ、シンガポール、台湾、ベトナムなど海外10カ国以上で事業を展開している。今回商品化を発表した代替卵についても、時期は未定ながら日本市場を皮切りに海外市場にも展開していく予定だという。

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朝日新聞社にてデジタルメディア全般を手掛ける。「kotobank.jp」の創設。「asahi.com(現朝日新聞デジタル)」編集長を経て、朝日新聞出版にて「dot.(現AERAdot.)」を立ち上げ、統括。現在は「DG Lab Haus」編集長。