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気球による宇宙旅行 早ければ今年中にも JTBも参画

高度25kmから見た地球(2021年9月)

高度25kmから見た地球(2021年9月)

 気球による宇宙旅行を目指すスタートアップ株式会社岩谷技研は21日の記者発表で、早ければ2023年度中に実施する宇宙遊覧体験の第一期搭乗者5名を募集することを発表した。

 同社とその取り組みについては、2022年4月に当媒体の記事でも紹介し、その中で代表取締役の岩谷圭介氏は「早ければ2023年中」に「気球による宇宙旅行」の提供を開始したいと語っていたが、いよいよそれが実現に向けて動き出した。

2人乗り気密キャビン 「T-10 EARTHER」
2人乗り気密キャビン 「T-10 EARTHER」(画像クリックで拡大)

 実際のフライトでは、この日公開された2人乗り気密キャビン 「T-10 EARTHER」にパイロットと乗客1名が搭乗する。キャビンの広さは直径170センチほど。気球は約2時間かけて上昇し、上空25〜30kmの成層圏に到達する(この高度からの眺めは記事トップの画像)。その高度付近に約1時間滞在した後、1時間かけてゆっくりと降下する。合計約4時間の宇宙遊覧旅行だ。

 費用は宇宙遊覧体験費用として2,400万円(税込)。この他、打ち上げ地への移動費や滞在費などが別途必要になる。応募資格は、申込時点で満15歳〜65歳、身長150cm〜190cmなどとなっている。

 ロケットなどで往復し、億単位の費用が必要だったこれまでの宇宙体験に比べると、気球での往復は低コストで実施できるので、価格設定も低くなっている。

 今回、岩谷技研は「宇宙の民主化」を掲げた「OPEN UNIVERSE PROJECT」の始動も発表しており、今後さまざまな業種のパートナーと共創することで、宇宙をより身近なものとすることを目指している。この日、旅行大手の株式会社JTBが、このプロジェクトに参画することが発表された。

「海外」「国内」だけではなく「宇宙」の旅行も旅行会社の窓口で予約できる日は近いかもしれない。

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