【AFP=時事】アルペンスキー女子の元名選手、リンゼイ・ボン(Lindsey Vonn、米国)氏は19日、2018年平昌冬季五輪の前に自身が「ひどい嫌がらせ」を受けた記憶を振り返りつつ、人工知能(AI)を使って悪質なネット上の中傷から五輪選手を保護する計画を歓迎した。
英ロンドンのオリンピック公園(Olympic Park)ではこの日、国際オリンピック委員会(IOC)が「五輪AIアジェンダ」を発表し、2024年のパリ五輪・パラリンピックで暴言などから出場選手を守るためにAIが活用されることなどが明らかになった。
イベントに出席したボン氏は、現役時代のつらい経験を思い起こしながら「ソーシャルメディアはとてもポジティブな経験になり得るけれど、特に2018年の平昌五輪の前には、残念ながら自分は反対の側面を経験した」「ひどい嫌がらせだった。殺すと脅迫されたりして本当につらかった」とAFPの取材で明かした。
当時は「五輪でのパフォーマンスを目指しているアスリートとして、崖から滑り落ちてほしいと思っている人たちに対処するだけで精いっぱいだった」といい、「だから、AIがリアルタイムでこうしたコメントを削除するだけでなく、そういう人たちを告訴するのに役立つのは非常に大きい。なぜなら、それがソーシャルメディアの力学を変えることになると思うから」と語った。
五輪で活用されるAIシステムは脅威を特定し、アスリートが見る前に悪意のあるコンテンツを削除するという。また、メンタルヘルスやウェルビーイングの担当スタッフを含め、大会の安全対策にも統合されている。【翻訳編集】 AFPBB News