「夏休みの夜空を彩る」といえば、定番は「花火」。その花火の楽しみに加えて、近年はドローンショーが夏の夜空の彩りに一役かっている。
ライトを灯した数多くのドローンが、さまざまな絵や文字を夜空に出現させる。簡単に言えばそれがドローンショーだが、数百台のドローンを同時に飛行させ、地上からみてもそれとわかるアートを出現させるのは、思ったほど簡単ではない。
ドローンショーを手掛ける日本のスタートアップ、株式会社レッドクリフにドローンショーの課題や楽しみ方、さらにこの夏開催予定のイベントのスケジュールなどを聞いてみた。
レッドクリフは、日本最大規模のドローンショー運営会社として知られ、これまでに数多くのイベントを成功させてきた。ドローンショーは、ドローン先進国の中国企業が先行しており、その規模も5000機を超えるドローンを使ったものもある。レッドクリフでは現在、500〜1000機を使ったショーを行っているが、今後それ以上の規模のショーの実施も視野に入っているという。
同社によるとドローンショーの課題は、「都市部をはじめ人が多く集まる場所や夜間での飛行規制のほか、天候による影響、バッテリーの持続時間、電波干渉、安全性、費用面など」とまだまだ多くの課題があるという。その一方で、ドローンショーは花火とは異なり、点灯しながら飛行することができるので、動くアートを夜空に描いたり、文字やQRコードを夜空に浮かび上がらせたりすることもできる。こうした特徴を活かして、花火の華やかさとドローンショーの多様な表現形態を組み合わせたショーも開催されている。
花火との組み合わせといえば、通常はLEDライトで点滅するドローンに、花火を搭載するといった試みも。レッドクリフでは、花火搭載ドローンを同社代表取締役の佐々木孔明氏の出生地である秋田県大曲市の花火会社と共同開発してきた。ドローンショーと打ち上げ花火のコラボは今までもあったが、ドローンから花火を噴射することで、ドローンショーの演出の幅が広がるという。この花火搭載ドローンもこの夏全国のイベントで登場する予定だ。
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そんなドローンショーをこの夏、是非この目で見てみたいという方のために、以下に今年の夏にレッドクリフが関与するドローンショーが見られるイベントの一部を紹介した。会場で楽しむこともできるし、ドローンショーは、気候条件にもよるが、10キロほど離れた場所からも見ることができるので、混雑を避けて離れた場所から楽しんでもよさそうだ。
■7/27(土)20:00〜「【市制施行20周年記念事業】ひたち大宮夏まつり/大宮祇園祭 伝統を未来へ」
見どころ:日中はドローンプログラミング教室、夜は北関東最大級となる500機ドローンショーで1日中楽しめる
■7/28(日)20:00〜「おやまサマーフェスティバル2024 ~第72回小山の花火~」
見どころ:小山市市制施行70周年の特別企画の500機ドローンショーは、夏にぴったりのモチーフが夜空を彩る
■8/3(土)・4(日)20:00〜「松江水郷祭湖上花火大会」
見どころ:松江水郷祭湖上花火大会の特別プログラムとして、花火の打ち上げ前にドローン500機が湖上を飛行する
■8/10(金)19:45〜「第69回とりで利根川大花火」
見どころ:花火大会のフィナーレを500機のドローンが盛り上げる
■8/24(土)ドローンショーの開催時刻は非公開(イベント開催時刻は、19:30~21:00)「第60回石和温泉花火大会」
見どころ:笛吹市市制施行20周年を記念して、約10,000発の花火と400機のドローンショーを同時開催
※イベントの詳細や最新情報は、各イベントの公式サイトなどで確認してください。