
「Tokyo AI Film Festival - 東京AI映画祭」会場入口にて
LocalHost Japanが主催する映画祭「Tokyo AI Film Festival – 東京AI映画祭」が、8月2日(日)に東京・虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45階のTokyo Node Hallで開催された。当日は、AIを活用した新しい映像表現に挑む日本と世界の映像作家やスタジオが、生成AIにより制作したショートフィルム8作品が上映された。

開催にあたっての主催者挨拶を述べたLocalHost社のファウンダー林慶氏によると、この映画祭は、すでにインドのムンバイとニューデリーで開催されている。そこでは数多くのAI制作の作品を上映するだけでなく、AI映像制作における著作権問題の議論が行われるなど、映像制作でAI利用を促進する役割も果たしてきた。今回の東京での開催は、日印の映画コミュニティの交流をさらに深めるとともに、「AIフィルム制作の熱気を東京へ持ち込むこと」を目的としている。
よって、この日のプログラムも作品上映のほか、AIによる映像制作が実際にどのような手順で行われているか、その制作プロセスの簡単な紹介や、「世界から見るAI映画の未来」と題されたパネルディスカッションも行われた。
パネルディスカッションには、俳優で国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」の開催を手掛ける別所哲也氏、国際エミー賞受賞者のインドの監督カラン・アンシュマン氏、同じくインドの映画監督・脚本家のシャクン・バトラ氏が登壇した。
登壇した各氏はそれぞれ、俳優や制作者としてAIに触れ、映像制作に活用している。映像の制作現場ではすでにAIが映像制作の多くの場面で活用され、その結果「コスト最適化」と「想像力の拡張」の2つの点で変化が現れているという。
AIがもたらすのは、人件費の縮小や時間の短縮、空間的な制約からの解放などだ。さらにこうした変革により、これまで予算の制約から映像化できなかった物語を実現することも可能になる。
一方でAIが映像制作にどれだけ入り込んでも、人間がすべき役割は残るという。
AIはアドバイスをしたり、与えられたプロンプトで映像を作ることはできるが、人間が作った作品を批判するにあたっては、AI倫理のガイドラインに従い抑制的になることが考えられると別所氏は言う。そうなると、忖度しない批評にさらされることがなくなった作品は、ブラッシュアップされる機会を失ってしまう。
「やはり最後の10%は人間同士がコミュニケーションしていかないといけない。AIは『この作品はダメだよ』と言ってくれないと思います。人間の営みというのはチームビルディングをして、先輩だったり仲間が『これが好きだ』とか『これはダメだ』とか言ってくれて、さらに(作品が)磨かれる部分があると思うのです」(別所氏)

応募された約400作品の中から、選ばれたトップ8の作品の出来栄えはどれも素晴らしく、実写あり、アニメありの映像は、あらかじめ「AIが作った映像だ」と言われなければそれとわからないほど、映像にはほとんど違和感がなかった。
審査の結果、最優秀作品賞は『MONO』(作:Narumi)が受賞した。
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