
2022年7月28日撮影のイラスト。REUTERS/Dado Ruvic
[16日 ロイター] – 米写真共有アプリ運営のスナップは16日、拡張現実(AR)グラス「Specs」に企業向けツールを統合するため、セールスフォースやエヌビディア、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)などと提携したと発表した。企業需要の取り込みを通じて、競争が激化するAR機器市場で事業基盤の確立を目指す。
Specsは6月に発表された製品で、価格は2195ドル。スナップのエバン・シュピーゲル最高経営責任者(CEO)が主導する戦略の中核を担う。ただ人工知能(AI)搭載のAR機器市場では、メタ が先行する一方、アップル の「Vision Pro(ビジョンプロ)」は一般消費者向け市場の開拓に苦戦しており、普及の難しさが浮き彫りとなっている。
こうした中でスナップは販売拡大に向け、Specsを企業向けの業務支援端末として位置付ける。工場や小売店舗、フィールドサービスなど、デスクトップ端末から離れた環境で働く従業員に対し、ハンズフリーのコンピューティング環境を提供する狙いだ。
例えば提携を通じてセールスフォースは生成AIエージェント基盤「エージェントフォース」をSpecsに統合する。利用者はグラスを通じて社内データにアクセスし、業務の自動化を行うことが可能になる。
エヌビディアの技術はAI処理を担い、利用者の視界にある環境を解析して関連する企業データを呼び出すほか、AWSは音声操作型AIアシスタントを提供し、従業員は商品の在庫状況確認などの業務を音声コマンドで実行できるようになる。
スナップの提携先には、ソフトウエア企業トライフォークやARソフトウエア企業ホロライトも含まれる。契約条件や提携の財務的な詳細は明らかにしていない。
Specs用充電ケースは別売りとなり、セルラー通信機能を搭載。セット販売では2395ドルになる。通信事業者として米ベライゾン 、フランスのオレンジ 、英国BTグループ 傘下のEEが参画する。
スナップは16日、AIサービス「Specs Intelligence」も発表した。Specsは今秋後半から米国、英国、フランスで出荷を開始する予定。10月からは米ロサンゼルスの商業施設で一般消費者向け体験イベントを実施する。