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米SEC、トークン化株式への規制を5年免除 デジタル資産と従来市場の統合深化

写真は米証券取引委員会(SEC)のロゴと仮想通貨のイメージ。2023年6月に撮影。REUTERS/Dado Ruvic

写真は米証券取引委員会(SEC)のロゴと仮想通貨のイメージ。2023年6月に撮影。REUTERS/Dado Ruvic

[17日 ロイター] – 米証券取引委員会(SEC)が17日、ブロックチェーンを活用した「トークン化株式」などを提供できるようするために証券規制の一部を免除すると発表した。待望されていたこの措置により、デジタル資産が従来の金融市場により深く組み込まれる流れが大きく前進しそうだ。

 SECは、トークン化株式の取引を仲介するプラットフォームについて、ナスダックやニューヨーク証券取引所(NYSE)などに適用される多くの証券取引所規制を5年間免除する。トークン化株式は企業の株式を表すデジタルトークンで、暗号資産(仮想通貨)と同様にブロックチェーン上で売買できる。SECはまた、トークン化株式に流動性を供給する事業者に関しても、ディーラー登録義務を5年間免除する。

 プラットフォームは企業の株式をトークン化して上場する前に、その企業に通知する必要がある。発行企業が異議を申し立てた場合、トークン化株式を取り扱うことはできない。またデリバティブなどを通じて特定の株式への投資機会を提供する「合成型(シンセティック)」トークンは認めない。

 暗号資産業界は証券のトークン化を通じて株式を原則24時間・週7日取引し、決済を即時に行えるようになれば、市場の流動性向上や取引コストの削減につながると主張している。SECによると、投資家自身による資産の保管(セルフカストディー)や株式の小口保有も可能になる。

 SECは、トークン化株式を取り扱うプラットフォームが現行の連邦証券法を順守しようとした場合、事業モデルの大幅な変更を迫られるなど、相当な困難に直面する可能性があるとして、今回の免除措置が必要だと説明。アトキンス委員長は「イノベーション免除は、米国で責任ある革新が根付くのを妨げてきた課題を解消すると同時に、投資家保護と市場の健全性に関する基準を確保することを目的としている」と述べた。

 暗号資産交換所大手コインベースなどは、規制が整えば米国でトークン化株式を提供する方針を示している。暗号資産交換を手がけるロビンフッドやクラーケンなど複数の企業は既にトークン化株式を取り扱っているが、提供先は米国外限定だ。

 SECはトークン化株式の取引によって、投資家が資産を自ら保管できるようになるほか、市場の透明性向上も期待できるとしている。

 海外で提供されているトークン化株式商品の多くは株式に似た商品として販売されているが、従来の株式と同じ権利や情報開示、投資家保護を備えていない場合が多い。一部の企業は自社株をブロックチェーン上でトークンとして試験的に発行しているものの、大半のトークン化株式は上場企業の株価などに連動し、第三者によって発行されている。

 SECは今回の免除制度の下で、トークン化株式には従来の証券と同等の権利・利益を付与する必要があるとの見解を示した。これには配当を受け取る権利や議決権の行使も含まれる。