【AFP=時事】地球近傍小惑星「ベンヌ(Bennu)」表面の試料を採取した米航空宇宙局(NASA)の無人探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-Rex)」が投下した試料入りのカプセルが24日午前8時52分(日本時間同午後11時52分)、米ユタ州北西部にある米軍の訓練場に軟着陸した。NASAによる小惑星の試料回収は初めて。
オシリス・レックスは2016年に打ち上げられ、20年にベンヌに着地。石だらけの表面から推定約250グラムの試料を採取した。地球に持ち帰られる小惑星の試料としてはこれまでで最大となる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」が回収した小惑星リュウグウの試料は約5.4グラムだった。
今回回収された試料を分析すれば、太陽系が形成された頃の状況や、地球が居住可能になった条件の解明に役立つとみられている。
NASAの研究者エイミー・サイモン(Amy Simon)氏は、試料回収は「歴史的」と評価。
「わが国が地球に持ち帰った試料としては、アポロ(Apollo)計画における月の石以来、最大だ」とAFPに話した。
試料は25日、分析のためにテキサス州ヒューストン(Houston)のジョンソン宇宙センター(Johnson Space Center)に運ばれる。NASAは初期分析結果について10月11日に記者会見で公表する予定。
試料のうち分析に回されるのはおよそ4分の1で、ミッションの協力国である日本とカナダにも少量が送られる。残りは将来世代の研究のため保存される。
NASAによれば、探査機本体はエンジンを噴射して地球から遠ざかり、別の小惑星「アポフィス (Apophis)」の探査に向かった。【翻訳編集】 AFPBB News|使用条件