
写真はガールスカウトのワッペンに触れる子供たち。2026年4月15日、サンフランシスコで撮影。REUTERS/Carlos Barria
[ワシントン 14日 ロイター]by Courtney Rozen – 米メタとグーグルが子ども向け教育番組や雑誌、青少年育成団体と提携し、テクノロジーの節度ある利用を教える教育活動を展開していることが、両社の公式声明や訴訟で公開された社内文書から明らかになった。一方で両社のアプリは、若年ユーザーが端末から離れにくい設計になっていると指摘される。
グーグルは2024年、こども向け教育雑誌「ハイライツ」やこども向け教育番組「セサミストリート」を制作する非営利教育団体セサミ・ワークショップなど「デジタル・ウェルビーイング」推進団体への支援に少なくとも2000万ドルを投じると表明した。
ハイライツには少なくとも500万ドルを支払った。同誌のグーグル支援による24年特別号には、夜間に端末を保管する「寝袋」の作り方が掲載されている。読者層は6─12歳で、保護者団体はこの年齢でスマホ所有を当然視させると批判する。
青少年育成団体ガールスカウトでは、メタ傘下インスタグラムが支援する「デジタルリーダーシップ」バッジ取得カリキュラムが提供されている。また、グーグルは昨年から自社の子ども向けデジタルリテラシー教材「Be Internet Awesome(最高なインターネットユーザーになろう)」に連動した、ガールスカウト向けの活動記念ワッペンの提供を始めた。
批判の背景には、両社が未成年者向けマーケティングから数十億ドルの広告収入を得ている構図がある。保護者団体「U.S.スマートフォン・フリー・チャイルドフッド」共同代表のエミリー・ボディ氏は「両社のビジネスモデルは端末利用時間の最大化に依存しており、指針が中立であり得るはずがない」と指摘した。
ネットいじめで15歳の息子を自殺で失ったローズ・ブロンスタイン氏は「セサミストリートが(たばこ大手)フィリップ・モリスと組み、子どもに安全な喫煙法を教えるようなものだ」と語った。
社内文書によると、メタは18年時点で、交流サイト(SNS)が「依存性のある製品でウェルビーイングを害している」との批判への対応を検討していた。「第三者と連携し、『依存』批判に対処するわれわれの手法を保証してもらう」とのアイデアも記されていたが、メタはこの案は実行していないと説明した。
グーグル広報担当者は「業界をリードする安全対策を構築し、家族がデジタル体験を管理できるようにしている」と強調した。メタ広報担当のステファニー・オトウェイ氏は「専門家に資金を提供するだけでなく、声に耳を傾け学んでいる」と述べた。セサミ・ワークショップは、グーグルの関与は「コンテンツ開発開始前」の助言にとどまったと説明した。
両社は依存性のある製品設計で若者の精神衛生を害したとして複数の訴訟に直面しており、最初に公判に至った訴訟は600万ドルの支払い命令で決着した。
米小児科学会の26年版デジタルメディア指針の主執筆者ティファニー・マンザー氏は、教材の意義を認めつつ「製品そのもののより良い設計を求めることはなお可能だ」と述べ、アルゴリズム推奨機能などの見直しを求めた。