株式会社ディーカレット(東京都千代田区)は、デジタル通貨の決済インフラ検討するためのの勉強会を立ち上げたことを3日発表した。勉強会には、みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行の3メガバンクをはじめ、NTT、KDDI、JR東日本、セブン銀行などのデジタル決済に関係する国内主要企業が参加する。
この勉強会では、国内外のデジタル通貨・決済の事例研究を行う。またブロックチェーンや分散型台帳技術などの取引・決済インフラへの応用を検討し、同時に懸念されるプライバシー確保の問題やマネーロンダリングなどの犯罪リスクなど技術的な課題や解決方法についても議論する。9月末には勉強会の議論をまとめた報告書を公表する予定だ。
キャッシュレス決済普及のために実施されたポイント還元の効果で、スマートフォン決済や各種の電子マネーなど、デジタル決済の普及は進んだ。しかしその結果、デジタル決済のプラットフォームは乱立することになり、互換性に乏しいため利用者の利便性を妨げている。また、法定通貨のデジタル化についても、中国や欧州で議論が進みつつあるが、その技術基盤となるブロックチェーンや分散台帳技術にも、標準化の問題や技術的な課題がある。民間から中央銀行まで、解決が必要なデジタル通貨・決済の諸問題については関係者の間では徐々に認識がなされ、解決のための議論の場を用意しようという動きが始まりつつある。
今回の勉強会にはオブザーバーとして金融庁、財務省、総務省、経済産業省、日本銀行が名を連ねている。勉強会の目的は、まずは民間主導で乱立する電子マネーなどデジタル決済の現状を整理し、利便性や向上や技術基盤の強化を図る。そして、それが将来的にはデジタル通貨にまでつながる、日本にとって最適な金融インフラの整備につながればということなのかもしれない。