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中国初の「人工肉」が9月に発売、課題は「中国人の口に合うか」

人造植物肉の研究に励む李健副教授(撮影日不明、提供写真)(c)長江日報

人造植物肉の研究に励む李健副教授(撮影日不明、提供写真)(c)長江日報

【CNS】北京工商大学(Beijing Technology and Business University)食品・健康学院の李健(Li Jian)副教授が率いる実験チームと植物肉企業の共同研究による中国初の「人工肉」製品が9月に発売することになり、記者は李教授の実験室を訪れて取材を行った。

 李教授のチームと提携している企業の責任者によると、販売予定の商品は「植物人工肉月餅」だ。これは「老上海」ブランドの「肉入り月餅」に似せて作ったもので、年配の上海人に依頼し、何回も比較テストを繰り返し行った結果、大部分のテスト参加者は本物と人工肉の違いを区別できなかったという。この人工肉は大豆タンパク質とエンドウ豆のタンパク質を材料として作られ、食感が本物の肉に近いほか「ゼロ・コレステロール」もこの商品の「売り」のひとつだ。

 李教授によると、実験チームは植物肉の成分分析と味の研究を始めてすでに2年が経ち、主として植物タンパクの匂いの問題を解決し、天然植物を源とする分子を使って植物肉の味も改善したという。植物タンパク原料の中にある匂い物質を抽出し、どんな匂い成分があるか分析し、研究は一定の進展を見せている。

 李教授は「人工肉が直面する最大の課題は、中国人の口に合った人工肉を作り出すことです。第一歩は餃子や肉団子などの練り肉製品から始め、次に、ビーフステーキやリブステーキなどを完全に模した人工肉製品の開発に取り組んでいきます」と言う。 「開発に当たっては『色』『香り』『味』『食感』と『音』の『5つの近似』を強調しています。『音』については皆さんから理解できないと言われますが、中華料理を作る時に、肉をカリッと揚げる音や、揚げ魚を作る『ピチピチピチ』という音が人の食欲を刺激します。我々の植物を材料とした製品が、これら5つの面で限りなく本物に近くなるよう願っています」【翻訳編集】 CNS/AFPBB News |使用条件