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図書館内を飛ぶドローン、お仕事は蔵書点検

書架を撮影する巡回中のドローン

書架を撮影する巡回中のドローン

ドローンにはLED照明が装備されている
ドローンにはLED照明が装備されている

 千葉県船橋市の西図書館では、3月12日より京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)の「AI 蔵書点検システム」を試験導入すると同時に株式会社 Liberaware(千葉県千葉市 以下、Liberaware)を使って書架に並んだ書籍の背表紙を撮影。その画像を「AI 蔵書点検システム」と連携させることにより、蔵書点検業務の省力化、自動化を目指す。この実証実験は2021年3月31日まで実施予定だ。

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 図書館内を予めプログラミングした通りに自動巡回するLiberawareの特殊小型ドローン「IBIS」は、重さは190グラムで大きさはプロペラガード込みで190×180×50ミリ。四六判の単行本のサイズはW127×H188ミリなので、それよりひと回り大きいぐらいのドローンだ。

自動巡回型小型ドローン「IBIS]
自動巡回型小型ドローン「IBIS]

 飛行にあたって図書館内はGPSが利用できないため、GPSに頼らずに運行できることが求められる。また館内の紙の掲示物などを吹き飛ばしてしまうような大型のドローンは使えない。そこでLiberawareの小型ドローンが採用されることとなった。同社は天井裏や下水道溝などの狭い閉鎖空間・暗所でも自立飛行が可能となる小型ドローンの技術を保有している。

 公共の図書館の蔵書は、都道府県クラスの大型図書館では百万冊以上。市町村クラスの図書館でも数十万冊の蔵書がある。棚に並んだ全蔵書をデータと付き合わせる蔵書点検の作業負荷は大きく、この仕事のために月1回程度の休館日を設けて蔵書の点検日にあてている図書館も多い。月末に図書館前で「本日は蔵書点検のため休館」のお知らせを目にして虚しく引き返した経験を持つ人もいることだろう。

 利用者サービスの向上と、図書館での作業負荷の軽減のためにこれまで図書館では貸出や蔵書管理などシステム化が進められてきた。蔵書の点検についてもバーコード読み取りやICタグ、さらにRFIDタグなどを使って効率的な管理も可能となってきているが、こうした管理にも費用などの課題がある。

 そこで考え出されたのが「ドローン+AI(人工知能)による画像認識」を使った蔵書点検だ。本の背表紙が並んだ画像から書籍名を判別することはAIの仕事。そして図書館内の書架をくまなく撮影して回るのがドローンの仕事だ。

 設備の保守や設置物の異常の有無の点検など、人が見て回ることが必要な仕事は多い。こうした仕事においてはドローン+AI画像解析の組合せによって省力化ができるだろう。こうした実用例は今後も多く現れるのではないだろうか。

編集部 Written by
現在、世界各地で起こっているイノベーションを発信し、現場の声をお届けします。