【JOI ITO’S PODCAST ―変革への道― Vol.42 】平井卓也・前デジタル相、自民党web3PT平将明座長に聞く、規制緩和への道のり

　岸田政権の経済財政運営と改革の基本方針である、「骨太の方針2022」にweb3が盛り込まれてからおよそ２ヶ月が経過した。web3推進に向けた環境整備は、どの程度進んでいるのか？

　今回の「JOI ITO’S PODCAST  ―変革への道― 」では、デジタル庁の初代大臣で、自民党デジタル社会推進本部長を務める平井卓也衆議院議員と、自民党web3プロジェクトチームで座長を務める平将明衆議院議員が出演。ナビゲーターの伊藤穰一が現状と、今後の道のりについて話を聞いた。

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伊藤穰一（以下、伊藤）：自民党のデジタル社会推進本部で審議が進み、ここからホワイトペーパーが出て、岸田首相と面会した後、国家構想の一部となったことは素晴らしいと思います。おそらく、細かい話がたくさん出ていると思うんですけれども、今後はどのような過程を経て（web3に関する規制の緩和などは）実現していくのでしょうか？

平井卓也（以下、平井）：ホワイトペーパーでは、NFTの問題と解決策を提案しているのですが、先日、各省庁に対して確認したところ、全ての項目を検討していたんです。全く無視した部分がありませんでした。一部については、省庁をまたぐものもあるため、ひとつずつ丁寧に検討を進めています。また、これから秋の税制改正とか法律が全部必要かというと、そうでもなくて、ソフトローとかガイドラインでもがらっと変えることができるし、例えば日本でトークンを発行するときにどういう問題があって、それやってる人からもう一度問題点を聞いて、具体的に詰めて一個ずつの結論を出していこう。そんな風に私は思っています。

平将明（以下、平）：ホワイトペーパーは、いわゆる弁護士の皆さんの知恵も借りながら議員が議論して作りました。でも、これは異例中の異例なんです。今までは、自民党の中で我々与党が作る以上は、各役所と文言の「てにをは」まで詰めて出すんです。ですが、今回は我々が作ったものですので、そういった意味では役所のコミットするところが弱いんですよね、現実的には。でも、参議院選挙の公約にも入れ、政府の骨太方針にも入れ、デジタル庁の重点計画にも入れたので、「もうこれは、国家戦略なんだ、web3が」っていう風になったので。役所もやらざるを得ないし、だいぶ前向きになってきました。ただ、これからやらなければいけないのは、ひとつは今回出したホワイトペーパーをさらにバージョンアップして、例えばDAOみたいなものは、もっと深堀しなきゃいけないよねと。あとは今、平井さんが言ったように、それは法改正なのかガイドラインなのか、もしくは解釈でいけるのか。それでガチでやると立法なんですが、役所によっては平気で3年から5年費やすところもあるので、その時間軸と世界的な動きを見ながら、全体の戦略をプロジェクトチームや本部で考えていかなきゃいけないという状況です。

伊藤：私がアメリカにいた時は、マッカーサー財団がシンクタンクにお金を出して、そのシンクタンクがほぼ9割、法律の文章を書くんです。で、それを政治家に持って行って政治家が通すというのもパターンとしてあります。そのあたり日本ではどうなっているのでしょうか？リサーチをしたり法律の文章は誰が書くのですか？

平井：基本的なところは我々が作るし、実は民間の人でもプロボノで協力してもらったりしています。方向さえ決まれば、日本の役所はシンクタンクとして機能するんですよ。そう考えると、今は我々が先頭を走って役所は必ず協力してくれると思っています。

平：これは政治家もやっぱりバージョンアップしているんです。コロナでDXが進んでいく中で、仕事の仕方も変わってきているんです。例えば「web3やります」って言うと、フェイスブックのメッセンジャーで有名な人や有識者、いろいろな専門家がぱっと集まってタイムラインでずっと議論して１〜２週間でそこでコンセンサスが得られて。それをローメーカーというか、立法の場にフィードバックされるみたいな形が生まれています。今まではリアルな社会で審議会をぐるぐる回して、1年くらいかけて出てきたものがわずか１〜２週間で出てくるんです。これからかなり日本の政策決定とか、意思決定のプロセス自体も変わってくるし、時間軸もぎゅっと圧縮してくるし、そこに参加する人たちの多様性とか、役割分担も変わってきているんですよ。

　番組では、デジタル化に関する「国産」の捉え方や、教育に関するDXなどに関する話題も出た。詳しくは番組をお聴きいただきたい。

【JOI ITO 変革への道 – Opinion Box】

　番組では、リスナーからのお便りを募集しています。番組に対する意見だけではなく、伊藤穰一への質問なども受け付けます。特に番組に貢献したリスナーには番組オリジナルのNFT会員証をプレゼントします。

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【編集ノート】

　伊藤穰一からのメッセージや、スタッフによる制作レポート、そして番組に登場した難解な単語などはこちら。

https://joi.ito.com/jp/archives/2022/08/22/005816.html

■「JOI ITO’S PODCAST ―変革への道―」

#42 平井卓也・前デジタル相、自民党web3PT平将明座長に聞く、規制緩和への道のり

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