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【JOI ITO’S PODCAST ―変革への道― Vol.53 】NCCを速報でお届け!Creative Architectureについて考えよう

左から伊藤穰一、Pplpleasr氏、長谷部渋谷区長、スプツニ子!氏

左から伊藤穰一、Pplpleasr氏、長谷部渋谷区長、スプツニ子!氏

 マサチューセッツ工科大学のメディアラボ元所長で、株式会社デジタルガレージの共同創業者でもある伊藤穰一が、ナビゲーターを努めるポッドキャスト「JOI ITO’S PODCAST  ―変革への道― 」。今週は、11月4日に開催された 「THE NEW CONTEXT CONFERENCE TOKYO 2022 Fall」の中から「Creative Architecture」についてのパネルディスカッションの模様を配信する。

 このパネルディスカッションは、Shibuya XYZを主催するNFTアーティストのPplpleasrことエミリー・ヤン氏、渋谷区長の長谷部健氏のほか、アーティストのスプツニ子!さん、そして伊藤穰一の4人で開催されたもの。

「渋谷」という地名を、自身のプロジェクト名とし、日本のアニメ作品からも影響を受けたと語るPplpleasr氏と、渋谷区長の長谷部氏は初対面。ディスカッションも大いに盛り上がった。トークはもちろん「渋谷」に関するものも。

* * *

伊藤穰一(以下、伊藤):エミリーさんはShibuya.xyzを主宰し、渋谷という地名をふんだんに利用されているわけですが、なぜ渋谷を舞台にプロジェクトを始めたんでしょうか?また渋谷に対して「こうなって欲しい」という思いはありますか?

Pplpleasr:渋谷には未来的なイメージがあり、そこが私が一番惹かれているポイントになります。地球上において、人が沢山いて、賑やかなところというのはいくつかありますよね。ニューヨークのタイムズスクエアとか、日本の渋谷とか。タイムズスクエアは少し、ベビーブーマー世代向けの古い感じがするんです。渋谷の方が、未来志向の人が集まる場所というイメージがあります。「タイムズスクエアには絶対に行きたくない」という人は世の中に沢山いますが、みんな渋谷には行きたがります。

伊藤:渋谷は、これまでずっと若者を惹きつけてきましたよね。私が中学生だった頃、渋谷はとても居心地のよい空間だったのを覚えています。

長谷部健(以下、長谷部):そういう風に言っていただけるのは本当に嬉しいですし、僕らが気付かない視点で、逆に海外の人の方が注目してくれてるところがあるように思います。もう少し外に目を向けて繋がっていくことが大切ですね。渋谷という街は、住民が払った税金で運営している自治体です。そこに新しく渋谷に関わる人、渋谷にシティープライド(愛着)を持っている人たちが、タックスペイヤーになり得るのが、DAOみたいなところだと思います。エミリーさんの様に渋谷に住んでないのに、興味を持って渋谷を盛り上げてくれる人たちは沢山いるので、うまくそれを繋げていきたいですね。

*  *  *

伊藤:お二人がつながったことで、何か新しいことが可能になるといいですよね。何かイベントなどが、開催できるとよいかもしれません。

Pplpleasr:私は、日本でそこまで知名度がないので、突然web3のイベントを開催できるかは不安ですが、でも区長がいらっしゃるなら可能かもしれませんね。

伊藤:外国の人が、渋谷でイベントを開催することはよくあるのでしょうか?イベントをやりたい時に、国外から問い合わせが可能な窓口があったりするんでしょうか?

長谷部:そういったイベントの専門の窓口はないですが、当然相談には乗りますよ。(イベント会場としては)区営の施設であれば安いですし、伝統的なお寺や神社の場合でも、行政から声をかけると信頼してもらえる部分はあると思うので、橋渡し役としては適任じゃないかなと思っています。例えばですが、渋谷は現在、開発で工事を行なっていますが、完成しているのにまだ入れない場所とかで開催すれば、ちょっとグっときますよね。

伊藤:急に代理店モードが入ってしまいましたね・笑(※長谷部氏は広告代理店勤務経験がある)

長谷部:今ちょっと、面白いネタを思いついてしまいました。エミリーさんなんか、喜びそうなものなんですが、実はスクランブル交差点あるじゃないですか。あそこの真下には空間があるんですよ。開発で地下を作ったり、地下鉄の駅を作ったりしている間に、なぜかあそこの下だけ空間があって、そこをなんか僕はうまく使えないかなと思って考えたんです。(中略)このまま行くと、大きなビルのための資材置き場、何か冷却装置みたいなもののを置いておくようになっちゃうんです。それだともったいないなと思って。世界中の人が知ってる、あのスクランブル交差点の下ですよ。例えば、そういうことを世界中と繋がって「そこをどう使ってくか」を議論するのはよいかもしれないですね。僕は今、全然アイデアはないんですけども。

伊藤:それこそDAOのように、皆からいろんなアイデアを出していけばよいですよね。

長谷部:クラウドファンディングだと、最初のアイデアがあって、そこにお金が集まるだけになってしまいますが、web3の世界だとアイデアも集まって、そこに人とお金も集まってくる可能性がありますよね。それを渋谷を愛してる人たち全員で考えるっていうのは、面白いかもしれませんね。

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 番組では、ブライト・モーメンツが行うNFTの巡回イベントに関する議論や、教育、ビザの問題などが取り上げられた。詳しくは番組をお聞きいただきたい。

【JOI ITO 変革への道 – Opinion Box】

 番組では、リスナーからのお便りを募集しています。番組に対する意見だけではなく、伊藤穰一への質問なども受け付けます。特に番組に貢献したリスナーには番組オリジナルのNFT会員証をプレゼントします。

https://joi.ito.com/jp/archives/2022/10/03/005828.html

【編集ノート】

 伊藤穰一からのメッセージや、スタッフによる制作レポート、そして番組に登場した難解な単語などはこちら。

https://joi.ito.com/jp/archives/2022/11/07/005839.html

JOI ITO’S PODCAST ―変革への道―
JOI ITO’S PODCAST ―変革への道―

■「JOI ITO’S PODCAST ―変革への道―」

#53 NCCを速報でお届け!Creative Architectureについて考えよう

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