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インド史上4カ国目の月着陸に成功

月着陸寸前の管制室画面(画像は全てISROの動画からキャプチャ)

月着陸寸前の管制室画面(画像は全てISROの動画からキャプチャ)

 8月23日、インドの無人月探査機「チャンドラヤーン3号」が月面への軟着陸に成功した。月への着陸成功は旧ソ連、米国、中国に次ぐ4番目となる。「チャンドラヤーン3号」は、7月14日にインド南部スリハリコタにあるインド宇宙研究機関(ISRO)のサティシュ・ダワン宇宙センター (SDSC)から打ち上げられ、月着陸を目指していた。

月着陸で盛り上がる管制室の様子
月着陸で沸き立つ管制室の様子

 インドの月への挑戦は、2008年に打ち上げられた「チャンドラヤーン1号」にさかのぼる。打ち上げ後、2年にわたって月の観測を行う予定で月観測をスタートし、月面に氷が存在することを確認したが、2009年には通信が途絶えてしまった。2019年には月面着陸を目指して「チャンドラヤーン2号」を打ち上げ、月の周回軌道投入には成功したものの、月着陸には失敗している。

 今回着陸に成功したインドの探査機は、これまでで最も月の南極の近くに着陸した。月の南極付近には、水が氷となって存在すると考えられており、今後、探査機に搭載されたローバー(探索車)を使って科学的な調査を行う予定だ。

月へ向かう競争再び

 米国のアポロ計画の後、随分長い間忘れられてきた月到達へ挑戦は、ここ数年で再び盛んになっている。

 ロシアも同様に月の南極付近への着陸を目指していたが、ロシア国営宇宙企業ロスコスモスは、20日に無人探査機「ルナ25号(Luna-25)」が月面に衝突して、着陸が失敗したことを明らかにしている。

 日本の民間企業ispaceも、今年の4月に月面着陸まであと一歩のところまで到達したが、惜しくも着陸には失敗した。

 米国の有人月面探査計画「アルテミス(Artemis)」や、2030年を目指すとした中国の有人月着陸計画などの大規模な計画も進行している。月に進出した後は、そこを中継点に火星を目指すなど“宇宙へ飛び出す”ビジネスは、今後さらに広がりをみせることになる。

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