Open Innovation Platform

【独占インタビュー/レイ・イナモト氏】未来のモビリティ社会の創造を可能にするオープンイノベーションプログラム「TOYOTA NEXT」への思い

トヨタ自動車株式会社が、株式会社DGインキュベーションが運営するスタートアップ企業の育成組織「Open Network Lab」と共に、2016年12月7日より開始したオープンイノベーションプログラム「TOYOTA NEXT※」。そのクリエイティブブランディングを担うレイ・イナモト氏にプログラムの立ち上げから今後の展望、モビリティの未来に至るまでその思いを語ってもらった。

※革新的なテクノロジーやサービスを持つ企業やベンチャー・研究機関とトヨタが持つアセットを組み合わせることで、未来のモビリティ社会を創造するオープンイノベーション型プログラム
https://toyotanext.jp/

2030年に向けてという大きな課題

DG Lab Haus編集部(以下、DLH):TOYOTA NEXTに参画された経緯を教えてください。

レイ・イナモト氏(以下、レイ): 2016年からToyota様のお仕事を「デザイン、データ、テクノロジー」の戦略コンサルタントとして、弊社でお手伝いをさせて頂いております。TOYOTA内部の方といろいろお話をしているうちに、今後どう世の中を変えていくか、どう「世界のTOYOTA」というブランドを進化させていくかという中で「オープンなイノベーションプログラムをしたらどうか」という話が持ち上がりました。それが「TOYOTA NEXT」のキッカケです。そしてデジタルガレージさんとのコラボにより何か新しい化学反応が起こるのではないかと思い、パートナーシップを提案させて頂いたという流れです。

ちなみにこのプログラムの名前は最初「オープンイノベーション」とそのままでした。ですが、もっと次世代を感じさせるもの、覚えやすいもの、そしてグローバルでも通用するものにしたいという想いも強かったので「TOYOTA NEXT」というブランディングを提案させて頂きました。またモチーフにしている炎は「新しいアイデアに点火する」という視点で使っています。

 

ロジックよりマジック(Logic < Magic)

DLH:パートナーとの連携により実現したいことなどをお聞かせください。

レイ:TOYOTA様のような自動車を製造する会社は、もちろん基本的に「人を動かす」ということがあります。ただそれは物理的に動かすだけではなく、人の心も動かすような存在になるよう常に意識しているのが大切です。ですので、この取り組みによっていろんな意味で人を動かすサービスやアイデアを発掘できればと思います。

そして僕は「ロジックよりマジック(Logic < Magic)」ということを自分がパートナーと立ち上げたInamoto & Co.で唱えています。「TOYOTA NEXT」もロジックだけではなく、今までにない新しいマジックにつながる事を望んでいます。

DLH:今後起きるであろう技術革命後の車を取り巻く街のデザインは、どのようになっていくと考えていますか?

レイ:20世紀の技術の改革は「Aの点からBの点へどう動くか」というところにあったと思います。つまり車、電車、飛行機などの乗り物の開発によりどう効率的に移動できるかという改革でした。21世紀はそれに加え「Aの点とBの点をどうつなげるか」という改革が起こると僕は思います。インターネット、モバイル、そしてVRなどの発達により、物理的に離れているAとBの点をバーチャルにつなぐことが出来る時代です。最近よく言われている無人運転はほぼ現実化しており、また人の知能を超える人工知能も2040〜50年ぐらいまでには出来上がるだろうと言われています。

ヨーロッパでは何十年も前から車が入れない街などがありますが、排気ガスを出さず、そして完全に安全な無人の自動車しか走っていない街がここ5年〜10年でどこかに現れると思います。というか現れて欲しいと思っています。

完全で安全、人知を超えた車の可能性

DLH:車というものが乗り物という枠を越えはじめようとする今、車そのものにどのような可能性を感じていますか?

レイ:車の事故というのは人間のミスで起きる事がほとんどだと思いますが、今後は車が人間のミスを完全にカバー出来るようなものになっていくと思います。このビデオにも見られるよう、もう既にそれも現実になってきています。あと人工知能やビッグデータに基づき渋滞が発生しない交通にも可能性があるのではと思います。

DLH:Inamoto & Co.としてのこれからの展望をお聞かせください。

レイ:弊社は無事に1周年をまず迎えたところで、まだまだヨチヨチ歩きの未熟な会社です。土台がようやく固まり始めたところなので今後はそこをステップにして、徐々に活動の場を広げていきたいですね。2020年の東京オリンピックに向けた取り組みをデジタルガレージさんともお話をしているのですが、その準備や下地を2017年に固めていきたいと考えています。それをきっかけに弊社も東京での存在感も膨らませていきたいと思っています。

Profile

Rei Inamoto

Inamoto & Co.共同設立者 クリエイティブディレクター。DG Labクリエイティブアドバーザー。Creativity誌「世界の最も影響のある50人」、Forbes誌「世界広告業界最もクリエイティブな25人」の1人に選ばれる、ニューヨークを拠点として世界中で活躍しているクリエイティブ・ディレクター。DG Labは米国東海岸の活動拠点としてInamoto & Co.のオフィス内にスペースを構えている。
(Inamoto & Co.には、2016年2月にデジタルガレージがリードインベスターとして出資)

関連リンク

■TOYOTA NEXT
https://toyotanext.jp/

■Inamoto & Co.
http://inamoto.co/

■TOYOTA
http://www.toyota.co.jp/

■Open Network Lab
https://onlab.jp/

■DG Incubation
https://www.dgincubation.co.jp/

■Digital Garage
http://www.garage.co.jp/ja/

お問い合わせ

DG Lab
TEL:03-6367-1001
E-MAIL:info@dglab.com

編集部 Written by
現在、世界各地で起こっているイノベーションを発信し、現場の声をお届けします。
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