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不足するマスク 自作するなら3Dプリンターで

3Dプリンター製のマスクを着用(イグアス株式会社のリリースより)

3Dプリンター製のマスクを着用(イグアス株式会社のリリースより)

警視庁サイトで紹介されている自作マスク
警視庁サイトで紹介されている自作マスク

 市販のマスク不足が深刻だ。あまりの品不足ぶりに、購入を諦めマスクを自作する人も多く、その作り方を紹介するサイトや動画も多数登場している。「お裁縫は苦手」という人でも簡単に自作できるよう、経済産業省のYouTubeチャンネルではハンカチとゴム紐を使ったマスクの作り方などを紹介している。さらに警視庁のサイトでは、キッチペーパーと輪ゴムで作るマスクが紹介されている。

 もう少し“ハイテク”なマスク自作方法はないかという方には、3Dプリンターを使った自作マスクはどうだろう。

厚さ1mm重さ7g、装着時の違和感を軽減。丈夫で繰り返し利用可能。
厚さ1mm重さ7g、装着時の違和感を軽減。丈夫で繰り返し利用可能。

 ITディストリビューションや3Dプリンター事業などを手がけるイグアス株式会社(川崎市幸区)は23日、昨今の深刻なマスク不足を受けて、自社で販売する3Dプリンターを活用し、繰り返し利用可能な独自のマスク(以下3Dマスク)を開発し、その設計データを(STLデータ)を無償で公開したことを発表した。

 この3Dマスクは、3Dスキャナーで人の顔をスキャンし、そのデータを元に設計されているため、顔の輪郭と各パーツの形状に沿ったフィット感のある最適な形状となっている。同社はまずこのデータを使って製作した3Dマスクを試験的に社内に配布する。今後は社員からのフィードバックを基にさらに改良を重ねていく予定だという。

内部には使用者が選んだ素材をセット。いつでも取り換え可能。
内部には使用者が選んだ素材をセット。いつでも取り換え可能。

 ナイロン粉末素材から3Dプリンターを使って成形されているため、出来上がったマスクはナイロン製で、マスク本体は水や洗剤で洗浄も可能。使用時にはマスクの内側に新しいガーゼなどを装着して使用するようになっている。

 23日時点で公開されているデータは、男性用マスクとそれより少しサイズが小ぶりな女性用マスクの2つの設計データとなっている。今後は子供用の3Dマスクデータなどバリエーションを増やしていく予定だという。

マスクの設計に関するページ(STL形式データ・製作工程動画や使用方法など)

https://www.iguazu-xyz.jp/knowledge/trend_02

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朝日新聞社にてデジタルメディア全般を手掛ける。「kotobank.jp」の創設。「asahi.com(現朝日新聞デジタル)」編集長を経て、朝日新聞出版にて「dot.(現AERAdot.)」を立ち上げ、統括。現在は「DG Lab Haus」編集長。