マサチューセッツ工科大学のメディアラボ元所長で、株式会社デジタルガレージの共同創業者でもある伊藤穰一がナビゲーターを努めるポッドキャスト「JOI ITO’S PODCAST ―変革への道― 」。今回は、脳科学者の茂木健一郎氏との対談が行われた。今回のテーマは「ニューロダイバーシティとweb3」。果たしてどんな話題が飛び出したのか。
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茂木健一郎(以下、茂木):今回のテーマでもあるニューロダイバーシティに関していえば、やっぱりJoi(伊藤穰一の愛称)は、かなり非典型的な思考回路を持ってるよね。
伊藤穰一(以下、伊藤):人のこと言えないですけどね。
茂木:いやいや、Joiのキャリア考えてたって、そうですよね。大学2回行って2回辞めたんだっけ?
伊藤穰一は、米タフツ大学、シカゴ大学、一橋大学などに入学したものの、その後中退。MITメディアラボの所長になった際も、学位がない所長として話題となった。
茂木:それなんか見ててもJoiさんは、凄い非典型じゃないですか。これまで僕は、脳科学についてずっとやってきたんですが、例えば、知能検査や拡散的思考テストや、クリエイティビティーのインデックスなどは、恐らくJoiのこの感じは定量化できないと思うんです。これがすごく困ったことで、ダイバーシティって何か定量化できないんですよね。
伊藤:なるほどね。まあでもそれがニューロダイバーシティのひとつのポイントですよね。測れないからこそ、今までなかなかこの話題が進まなかった部分もありますよね。大量生産時代って、測定できないものは存在しないみたいな時代ですよね。いずれこれらダイバーシティの要素は測定はできるようになると思いますか?
茂木:(定義や測定方法などが)どんどん変わっていきますからね。あと、僕面白いのは、ビル・ゲイツみたいな人物がコンピューターの第一世代で出てきたことだと思うんです。コンピューターがなかったら、ビル・ゲイツなんて単なるオタクで、どこか村の隅の方にいた青年だと思うんです。web3やNFT、クリプトなんかは、今後ニューロダイバーシティに関係してくると思いますか?
伊藤:その時代に合った人間って、存在しているように思います。大昔は、体が大きい方が重宝された。その後は工場などルール化された仕組みの中で、きちっとできる人が必要な時代が、大量生産時代に出てきた。今はネットワーク化時代なので、どちらかというと、みんながちょっとずつ違った方が情報も増えるし、クリエイティビティーも上がったりするように思います。
茂木:ソーシャルのコグニティブなロックドインシンドロームが、今まであった気がするんですよ。うまくテクノロジーとのプラグインやインターフェースが見つかると、ニューロダイバーシティな人々が輝くような時代になったらいいなと思いますよね。
その後、脳のダイバーシティとweb3に関する話題は、経済学やDAO、教育などの分野にまで話が及んだ。この続きは番組でお楽しみいただきたい。
【JOI ITO 変革への道 – Opinion Box】
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【編集ノート】
伊藤穰一からのメッセージや、スタッフによる制作レポート、そして番組に登場した難解な単語などはこちら。
https://joi.ito.com/jp/archives/2022/06/27/005801.html
■「JOI ITO’S PODCAST ―変革への道―」
#35 茂木健一郎氏と語る「ニューロダイバーシティとweb3」