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縮尺250万分の1の高精度な月の地質図集を発表 中国

月の地質図(資料写真)。(c)Xinhua News

月の地質図(資料写真)。(c)Xinhua News

【新華社北京4月22日】中国北京市で21日午前0時、世界初となる高精度な月の地質図集が発表された。中国の科学研究チームが主に国家月探査プロジェクト「嫦娥(じょうが)計画」の探査データを基に作成した。縮尺は250万分の1と月の地質図集としては現時点で最も精度が高い。

地質図集は月のクレーターや岩石・鉱物、これまでに経てきた地質活動の様子が直感的に分かるようになっている。 中国科学院地球化学研究所の劉建忠(りゅう・けんちゅう)研究員は地質図について、人々の月に対する認識を一層深め、科学研究や探査さらには月面基地建設を進める上でも強力な支えになると紹介した。

世界ではこれまで、主に米国のアポロ計画で得られたデータや資料を基にした月の地質図が長く用いられてきたが、各国で月の探査・研究が加速する昨今、これらの地質図は明らかに時代に合わなくなってきた。

劉氏は従来の地質図について「精度が高いものは局地的で、月全体をカバーするものは縮尺500万分の1の精度しかなく、人類による最近数十年の新たな研究成果が十分に生かされていなかった」と述べた。

中国月探査プロジェクトの初代首席科学家を務めた同科学院の欧陽自遠(おうよう・じえん)院士(アカデミー会員)が2012年、新たな月の地質図作成の構想を打ち出した。

同研究所や吉林大学、山東大学など多くの機関の研究者からなるチームが10年余り研究を積み重ね、地質図集を完成させた。

嫦娥計画の高精度な探査データによって地質図の縮尺は250万分の1となり、従来の約2倍の精度に達した。

今回発表された地質図集には月全体の地質図(メイン図)、月全体の岩石種類別分布図、月の構造概要図が各1枚と、月の標準分割地質図30枚が含まれてる。

メイン図では月全体にあるクレーター1万2341個、クレーター盆地81カ所が確認できるほか、岩石17種類と月の構造14種類も識別が可能。人類による探査機の着陸地点や、特別な水準点などの特別な要素も表示されている。【翻訳編集】Xinhua News/AFPBB News